メトレ読み物

カードで画面の視角を測る——85.60mmが物差しになる理由

ドリルは大きな画面でやるほどよい、と思われがちです。でも成立するかどうかを左右するのは画面の大きさではなく、目に入る角度=視角です。ここでは手元のカード1枚で画面の視角を確かめる方法と、なぜ幅85.60mmが物差しになるのかを、計算の前提とともに整理します。

公開 2026-09-10

効き目を決めるのは「大きさ」ではなく「視角」

メトレのドリルは、画面に映る対象を目で捉える課題です。同じ映像でも、目から遠ければ小さく、近ければ大きく見えます。つまり見えの大きさは「対象の大きさ÷距離」で決まり、これを角度で表したものが視角です。ドリルが想定どおり成立するかは、この視角で決まります。

設計上の基準は種目によって40〜50度あたりに置かれています。画面が大きくても離れて見れば視角は小さくなり、小さい画面でも近づければ視角は大きくなります。だから「大画面だから正しい」「スマホだから足りない」と一概には言えません。まず視角で考えるのが出発点です。

視角の求め方(計算の前提)

視角は次の関係で見積もれます。横幅 = 2 × 視距離 × tan(視角 ÷ 2)。逆に、画面上の幅と視距離が分かれば視角を逆算できます。ここでは視距離を40cm(子どもが座って見るときの一つの目安)としたときに、各視角で必要な横幅を出しました。あくまで前提を置いた目安です。

表のとおり、反応系の10度なら7cm程度で足りますが、周辺視野の60度には40cm以上の横幅が要ります。数字は視距離40cmという前提での計算値なので、距離が変われば必要な幅も変わります。

視角の目安40cmで必要な横幅(計算値)
10度(反応系)約70mm
40度約29cm
50度約37cm
60度(周辺視野)約46cm

なぜ85.60mmが物差しになるのか

画面較正の難しさは、アプリが「自分が今どれだけの実寸で表示しているか」を正確には知らない点にあります。端末ごとに画素の細かさが違うためです。そこで、実寸の分かっている物を当てて合わせます。

クレジットカード、運転免許証、健康保険証は、いずれも幅85.60mmという同一規格(ID-1)で作られています。財布の中のどれを使っても同じ幅です。この既知の幅に画面上の目盛りを合わせれば、その端末での「1mmが何画素か」が分かり、ドリルを正しい実寸で出せるようになります。カードが物差しとして使える理由はここにあります。

スマホだけでは足りない種目がある

横向きのスマホで見えるドリルの視角は、無理のない距離ではおおよそ10度前後にとどまります。反応系の種目なら成立しますが、60度が要る周辺視野の課題は、画面の横幅が足りず成立しません。

これは機材の優劣ではなく、種目と機材の相性の問題です。29種のドリルは必要視角が反応の10度から周辺視野の60度まで幅があり、手元の機材で無理なく出せる視角の範囲で選ぶのが現実的です。

カードで較正する手順と、3つの測定

サイトには測定が3種あります(周辺視野の広さ/反応速度/跳躍の速さ)。結果は端末内にのみ保存され、外に送られません。測定は上達を判定するものではなく、いま正しい大きさで行えているかを確かめる目安として使ってください。

続け方の目安

1種目はおよそ60〜90秒、週3回程度が一つの目安です。回数を増やすことより、正しい大きさ(視角)で行えているかのほうが大切です。大きさが合っていない状態で回数だけ重ねても、狙った課題にはなりません。まずはカードで一度合わせておくことをおすすめします。

よくある質問

カードはどれを使えばいいですか。

クレジットカード、運転免許証、健康保険証のいずれでも構いません。これらは幅85.60mmの同一規格(ID-1)なので、どれを当てても物差しとしての幅は同じです。

カードがないと測れませんか。

カードは端末の実寸を合わせるための物差しです。手元にない場合、画面上の大きさが実寸とずれる可能性があり、狙った視角で行えているかの確認が難しくなります。1枚用意することをおすすめします。

測定結果はどこに保存されますか。

結果は使っている端末の中にのみ保存され、外部には送信されません。過去の記録を手元で見比べる目的で残るものです。

スマホですべての種目ができますか。

反応系など視角の小さい種目は成立しますが、60度が必要な周辺視野の課題は、横向きでも視角がおおよそ10度前後にとどまり成立しません。種目に応じて画面や距離を選んでください。

何分くらい、週に何回が目安ですか。

1種目はおよそ60〜90秒、週3回程度が一つの目安です。回数より、正しい大きさ(視角)で行えているかを優先してください。

子ども本人が設定までやるべきですか。

カードでの較正や視距離の確認は、保護者や指導者が一度整えてあげると安定します。大きさが合っていれば、あとは子ども本人が種目に取り組みやすくなります。

ほかの記事

画面を較正する

いま見ている画面が何度に見えているかは、トップページでカードを当てて測れます。 較正した値はこの端末のブラウザにだけ残り、送信されません。

29種すべてを見る